道路ネットワークの構築・機能強化

我が国おいては、多核連携型の国づくりや安定した物流の確保のため、国土全体として、安全で円滑な人やモノの移動を確保する必要があります。速達性とアクセス性が確保された国土幹線道路ネットワークの構築に向けて、高規格道路等の整備や機能強化に取り組むとともに、交通拠点の整備によるモーダルコネクトの強化や渋滞対策、物流支援などの取組みを行う必要があります。

道路ネットワーク計画の策定

新たな国土構造の形成、グローバル化、国土強靭化等の新たな社会・経済の要請に応えるため、平常時・災害時及び物流・人流の観点を踏まえた道路ネットワークの確保が求められています。

平常時・災害時及び物流・人流の観点を踏まえた道路ネットワークの実現に向けて、総合交通体系の基盤としての道路の役割強化や、ICT・自動運転等の技術の進展を見据えた未来志向の道路ネットワーク計画の策定を支援します。

  • 新広域道路交通ビジョン・新広域道路交通計画
  • 重要物流道路の指定に向けた検討
  • 緊急輸送道路ネットワーク計画
  • 道路整備計画・道路整備プログラムの策定 等

四国地域新広域道路交通ビジョン中間とりまとめ(案)

道路ネットワーク計画策定の支援

新たな社会・経済の要請に応えるためには、渋滞や事故、災害等による通行止めなどの現状の交通課題を把握するとともに、将来像等を踏まえた未来志向型の道路ネットワーク計画の策定が必要です。

当社では、新広域道路交通ビジョン、新広域道路交通計画、重要物流道路の検討、緊急輸送道路ネットワーク計画等、地域の現状や将来像を踏まえた道路ネットワークの計画検討等を支援します。

交通・物流拠点からネットワークへのアクセス強化

人流・物流の円滑化や活性化による、生産性向上や地域活性化等のためには、交通・物流等から高速道路等のネットワークへのアクセス性向上を図ることが重要です。しかし、我が国の高速道路のIC間隔は欧米の平地部における無料の高速道路の2倍程度となっているなど、高速道路等のネットワークへのアクセス性に依然として課題がある状況です。

物流の効率化や地域活性化、防災機能の強化等を促進するためのスマートICの整備や高速道路と港湾・空港との連携を強化するアクセス道路整備、民間施設と高速道路等を直接接続するスマートIC等の整備支援を行います。

  • スマートIC必要性検討
  • アクセス道路必要性検討、整備効果検討 等

SA・PA接続型イメージ図

スマートIC整備計画策定

物流の効率化や地域活性化、防災機能の強化等のためには、高速道路等のネットワークと円滑に接続を可能にするスマートICの整備が効果的です。

当社では、スマートICを整備する際に必要となる地域課題の分析からスマートIC整備による効果を定量的な指標により明らかにするとともに、各関係機関との協議資料作成に至るまでのスマートIC整備計画策定の支援を行います。

防災・減災対策、老朽化対策に向けた整備計画の策定

近年、激甚化・頻発化する気象災害や深刻化するインフラ老朽化の更なる進行が懸念されており、防災・減災対策等の取組みの必要性が求められています。

安心・安全なインフラを次世代へと継承するために、災害や老朽化等における道路交通課題を整理するとともに、整備プライオリティーの検討や対策案の比較検討を行い、整備計画等の策定を支援します。

老朽化したトンネル

防災・減災対策、老朽化対策に向けた整備計画策定の支援

切迫する大規模地震や激甚化・頻発化する気象災害、深刻化するインフラの老朽化に対して、抜本的かつ総合的な防災・減災対策及びインフラ老朽化対策が求められています。

当社では、各種統計データやビッグデータ等を用いて、地域や道路交通課題を整理するとともに、定量的評価が可能な評価項目の設定による整備プライオリティーの検討や短期的・長期的な対策案の検討を行い、整備計画等の策定を支援します。

効率的・効果的な渋滞対策

交通渋滞の原因、その対策は様々で、その評価・分析は非常に複雑化しております。

当社では、各種道路交通施策の実施による評価・分析においては、交通実態調査やETC2.0等の交通ビッグデータ等の客観的データを活用し、正確で分かりやすい評価・分析を行っています。

  • 新規道路整備・拡幅の評価・分析
  • 交差点改良・交差点立体化の評価・分析
  • 駅前広場整備、大規模商業施設立地による影響分析 等

新規道路整備・拡幅の評価・分析

新規道路整備や拡幅を行っていくにあたって、現状の渋滞状況やその原因の把握は、対策立案を行っていくにあたって、非常に重要になってきます。しかし、渋滞の原因は様々であり、その評価・分析は非常に複雑化しております。

当社では、各種統計データやビッグデータ等に加え、経験豊富な職員が現地踏査を行い、交通渋滞の原因分析をしっかりと把握した上で、その原因に対応した渋滞対策を立案します。

道路整備の必要性の分析・評価

経済、社会を取り巻く環境が変化する中、道路事業については、これまで以上に効率的で効果的な実施と、透明性、アカウンタビリティの向上が求められています。

当社は、国土交通省中国地方整備局、四国地方整備局、関東地方整備局を中心として、これまで多くの道路事業評価の実績と様々なノウハウを有しており、“的確”で“迅速”な事業評価の支援が可能です。

また、様々な視点から評価指標の定量化検討等も行っています。

  • 計画段階評価、新規事業採択時評価、再評価、事後評価
  • 将来交通量推計
  • B/C(費用便益分析)・拡張便益の検討 等

計画段階評価、新規事業採択時評価、再評価、事後評価に関する説明資料作成支援

現在の厳しい経済財政状況下において、道路事業においてはより一層のアカウンタビリティ(説明責任)を果たすことが求められています。その取り組みとして、計画段階評価や新規事業採択時評価等の公共事業評価のプロセスが必要となります。 当社では、各種統計データやビッグデータ等を用いて、地域や道路交通課題を整理するとともに、費用便益分析結果を用いて、事業評価に関する説明資料作成を支援します。

空間経済モデルを活用した道路事業等の経済効果分析

当社は2007年より神戸大学大学院工学研究科の小池淳司教授らと連携し、社会資本整備に関する経済分析が可能な空間的応用一般均衡(Spatial Computable General Equilibrium : SCGE)モデルの1つであるRAEM-Light(ラーム・ライト)の開発に取り組んできました。

開発以降、全国50以上の業務において経済効果の計測を行っています。

中国地方における平成17~27年の道路整備による経済効果

社会資本整備による地域別・産業別の経済効果計測

社会資本整備による地域への影響を詳細に把握するためには、効果の総量だけではなく、効果が帰着する地域や産業の違いを把握することが重要となります。

当社ではRAEM-Lightを活用し、市区町村等の詳細地域単位かつ産業別の生産変化(企業にとっての効果)や、地域別の便益(消費者・国民にとっての効果)を定量的に計測することで、社会資本整備が地域経済へ与える影響の把握を支援します。

ストック効果最大化検討におけるSCGEモデル活用方法

ストック効果最大化に向けたSCGEモデルの活用

RAEM-Lightにより計測される経済効果の最大の特徴は地域別・産業別の生産変化を把握できる点にあります。そのため、単に、事業の必要性を訴えるための経済効果の計測のみならず、整備する事業を最大限有効に活用頂くための取組み(ストック効果最大化の取組み)に活用することが可能です。

当社では、既に整備された道路事業を対象に、RAEM-Lightモデルで計測した経済効果(ポテンシャル)と実際の経済変化を比較し、ストック効果の発現状況を詳細に確認することで、道路を最大限有効に活用するために必要な施策の立案等の支援を行っています。

統計的因果推論による社会資本整備の効果分析

骨太の方針2017において、EBPM(証拠に基づく政策立案)の推進が明記され、各省庁でEBPMに関する取組が進められています。道路事業における経済効果分析においては、これまで前後比較等の相関分析が用いられてきましたが、EBPMのためには因果効果を分析することが求められます。

当社では、社会資本整備の因果効果を分析する統計的因果推論(差の差法、操作変数法等)の技術を、大学等と連携しながら開発し、EBPMの推進を支援する先進的な取組を行っています。

差の差法の分析イメージ

差の差法による経済効果分析

当社では、道路事業による経済効果分析において、差の差法(DID:Difference in Differences)を適用する取組を行っています。差の差法を適用することで、景気変動や新型コロナウイルスの感染拡大等、道路事業以外の要因による経済の変化を取り除き、道路事業の因果効果を分析することが可能になります。

操作変数法の分析イメージ

操作変数法による経済効果分析

従来の分析手法では、道路が整備されたから経済が成長したのか、経済が成長しているから道路が整備されたのかの識別が出来ず、因果効果が把握できていないという課題がありました。当社では、操作変数法(IV:Instrumental Variables Method)を適用することで、この課題に対処し、道路事業の因果効果を分析する取組を行っています。

道路空間の安全・安心や賑わいの創出

ゾーン30プラスの概要

安全で安心な道路空間の整備

近年の自動車の安全性能の向上や道路交通法の強化等により交通事故の発生件数は年々減少しています。しかし、生活道路における交通事故の減少は、それ以外の道路の減少と比べると緩やかであり、また、生活道路の交通事故で多い歩行者や自転車に関連する交通事故では、死亡事故や重傷事故に繋がる危険性が高い状況です。

生活道路における交通事故対策は、最高速度30km/hの区域規制とハンプ・狭さく等の物理的デバイスを適切に組み合わせた「ゾーン30プラス」の取組みが、令和3年8月から国土交通省と警察庁の連携により進められています。

当社は、事故統計データや交通ビッグデータの活用、交通実態調査等から事故発生状況及び事故要因を分析し、地域に合わせたゾーン30プラス施策の検討・提案を行います。また、対策検討にあたって必要となる地域住民との合意形成のノウハウを蓄積しており、円滑な対策実施を支援します。

自転車の利用環境の整備と利用促進

自転車は、環境にやさしい交通手段であり、国民の健康の増進、交通の混雑緩和等に資することから、自転車の活用の推進に関する取り組みが求められています。

自転車の活用のためには、より一層安全で快適な自転車の利用環境整備が必要であり、自転車通行空間の整備はもちろんのこと、自転車の交通ルール順守等の啓発活動も進めていく必要があります。また、自転車を活用した観光地域づくりとして、サイクリングの受入れ環境や走行環境の整備、モデルルートの設定、情報発信等、サイクルツーリズムの取組みも重要です。

当社では、自転車利用環境の創出、サイクルツーリズムの推進のための取組みや、整備計画の策定を支援しています。

サイクリングルートの案内板

サイクリングロード整備計画策定支援

インバウンド効果を全国に拡大するためには、自転車を活用した観光地づくりは有望な取り組みの一つです。そのためには、サイクリング環境の整備として、走行環境・受入環境の整備、魅力づくり、情報発信等の総合的な取り組みが必要となります。

当社では、各種交通データ、現地調査によるサイクリングルートの設定、走行環境・受入環境整備メニューの検討、関係者による協議会の運営支援等、サイクリングロード整備計画策定をトータルで支援します。

道路システムのDX

都市圏交通シミュレーション

IT技術の活用

国や自治体が管理する道路延長は年々増加しているとともに、住民ニーズの多様化により効率的に道路課題に対処していくことが望まれています。我々建設コンサルタントにおいても上記の背景を踏まえた行政ニーズの多様化・高度化に対処するため、解決策としてIT技術を積極的に活用することが必要です。

当社で取扱うIT技術の一例として、AIカメラを用いた交通実態調査があり、詳細な車両・歩行者挙動を把握することで渋滞要因や交通事故要因を正確に分析し、最適な対策案を提案します。また、定量的・視覚的に整備効果を示すことが可能な交通シミュレーション技術は、都市圏レベルの道路整備、局所的な交差点立体・交差点改良、駅前広場など様々な道路施策の検討実績があり、説得力のある整備必要性の整理を行います。

次世代のITSの活用

交通ビッグデータを用いた交通分析

2015年より開始されたETC2.0サービスですが、ETC2.0車載器は、高速道路料金等の決済に加え、プローブデータ(走行履歴データ、挙動履歴データ)の収集が可能であり、その機能を活用し、渋滞対策や交通安全対策への活用が必要です。また、大手自動車メーカー等は独自に開発した専用通信機を搭載した車両のプローブデータを販売しています。

当社では、それらの交通ビッグデータを活用して、旅行速度が低速になっている区間の把握や、急ハンドル・急ブレーキが多い事故危険性の高い箇所の把握、道路整備前後の交通流動の変化といった、詳細な車両挙動を把握することで渋滞要因や交通事故要因を正確に分析し、最適な対策案を提案します。

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