事前復興

南海トラフ地震事前復興デザイン共同研究

近年、南海トラフ地震の発生確率は高まっており、その被害は東日本大震災をはるかに超えると予測されています。そのため、効果的な対応のための災害準備の強化と回復・復旧・復興に向けた「事前復興」の推進が必要となっています。当社では、東日本大震災を契機に、平成26年度より東京大学において社会連携講座(復興デザイン研究体講座)を創設し、新たな社会デザインに向けた実践的研究を行っています。また、産官学と連携し全世代による事前復興計画の策定体制の構築を行っています。 復興デザイン研究体の取り組みを以下にて公表しています。

事前復興の推進支援

復興まちづくりのプロフェッショナル集団として、これまで培った経験や知見を活かし計画策定の支援を行うとともに、産学の連携・枠組みのもとで、発災前から復旧・復興まで切れ目のない支援を行っています。

気仙沼市内湾地区の復旧・復興風景

豊富な実績と知見

当社は、東日本大震災、広島土砂災害、平成30年7月豪雨災害ほか各地で発生する大規模災害の被災地にて復興まちづくり等、多くのプロジェクトを通じて、豊富な経験を有しており、復興現場で取り組んでいる様々な分野の専門家と連携しながら、事前復興の推進を支援します。

大学と連携したワークショップの開催風景

産学のネットワークによる支援

東京大学、愛媛大学、大分大学と連携し事前復興に関する実践型の研究活動に取り組んでいます。これまでにも宇和海沿岸や豊後水道沿岸の市町村(南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域)をフィールドに、事前復興を推進しています。こうした研究活動を通して当社が培った産学の人脈ネットワークを事前復興推進の実施支援等にも活用することで、その取組を効果的に支援します。

指導風景

若手世代における事前復興教育の支援

2022年4月より、高校教育の現場では、新しい学習指導要領による教育が始まり「総合的な探究の時間」が導入されています。その一環として、南海トラフ地震が想定される地域の高校を対象に、産官学と連携し「防災とまちづくり」をテーマに減災・防災や事前復興における活動に対する助言、指導を支援しています。

デマンド交通の運行の様子

デマンド交通の運行の様子

まちの復興を支援するモビリティサービスの運営

東日本大震災の津波被災地区では、現在、生活の拠点が高低差の大きい高台周辺に移転しており、特に高齢者などの自家用車を自由に利用できない方々への生活の足の確保が急務となっています。また、復興事業の進捗に伴い、今後まちの姿が時々刻々と変化することを踏まえると、復興段階に合わせたフレキシブルな交通体系の構築が必要とされます。

このような課題認識のもと、当社ではデマンド交通(予約型乗合タクシー)の活用により、まちの姿と人々のニーズに合わせたモビリティサービスの提案を行っています。また、実施計画の検討だけではなく、実際に当社が運行・運営・モニタリング調査等も一貫して対応することで、地域の実情を踏まえたサービス展開を目指しています。

また、座談会などの住民の方々との話し合いの場を定期的に持ち、デマンド交通の活用による外出機会の拡大や地域活性化に向けた検討を行っています。

要援護者に配慮した避難所運営実態の調査

復興庁の報告によると、東日本大震災後、「避難所における生活の肉体・精神的疲労」による災害関連死が非常に多くなっています。このことは、従来の防災・減災対策が、「命を救う視点」に注視したものであり「救った命をつなげる視点(被災後の避難所での生活の視点)」が欠けていたことが影響していると思われます。

当社では、このような問題認識のもと、特に、災害時に支援を要する要援護者の方々の避難実態に着目し、東日本大震災時の貴重な記録として残すとともに、今後想定される震災時の避難所生活の改善に向けた対策の検討を行っています。

※最新の取り組みの成果は、以下にて公表しています。

学校建設の設計案の一般公開の様子

復興に向けた学校づくり検討

市街地が壊滅的な被害を受けた陸前高田市では、保育園、小学校、中学校、高等学校において復興にむけた新たな教育環境が整えられつつあります。

当社では、設計会社と連携し、学校に関係する教職員の方々、PTAの方々等とのワークショップを通した各種基本計画の策定、新たな学校建設のためのプロポーザル実施の運営支援等を行っています。

事前復興に資する地域継続計画(District Continuity Plan: DCP)検討

当社ではBCPの概念を地域に広げたDCP(District Continuity Plan:地域継続計画)に資する検討として漁業地域におけるDCP策定の支援を行っています。

特に、近年注目を浴びている企業ビッグデータ(企業間の商取引データ)を用いることで地域の要となる企業を抽出し効果的なDCPの策定に資する技術提案を行っています。

当社が作成に協力した「漁業地域における水産物の生産・流通に関するBCP策定ガイドライン(案)」が水産庁のHPで公表されております。

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