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『グリーンスローモビリティシンポジウム(福岡)』開催報告

グリーンスローモビリティシンポジウム
~Green! Slow! Safety! Small! Open! 地域を開くNew Public Mobility!! ~

開催報告

1.趣旨

 2019年11月1日(金)に電気ビル共創館4F 電気ビルみらいホールにおいて、地域が抱える様々な交通課題の解決と、地域での脱炭素型モビリティの導入を同時に進められるグリーンスローモビリティの推進に向けて、理解を深めていただくためのシンポジウムを開催いたしました。

※グリーンスローモビリティ…電動で、時速20km未満で公道を走ることが出来る4人乗り以上のパブリックモビリティ

2.プログラム/講演資料

【開催日時】 2019年11月1日(金)14:00~17:00
【主  催】 国土交通省
【後  援】 (公財)交通エコロジー・モビリティ財団
【場  所】 電気ビル共創館4F みらいホール (福岡市中央区渡辺通2丁目1-82) 

 プログラム内の講演資料は以下よりダウンロードが可能となっております。

14:00  開会挨拶
14:05  基調講演① 大分大学 経済学部 大井尚司 教授
14:25  基調講演② 国土交通省 総合政策局環境政策課 多田佐和子 課長補佐
14:45  活用事例① 島根県大田市 産業振興部観光振興課 松村和典 課長補佐
15:00  活用事例② 姫島エコツーリズム推進協議会 寺下満 会長
15:15  休  憩
15:30  パネルディスカッション「グリーンスローモビリティの導入で変わる地域の未来」
     パネリスト:福島県いわき市 総合政策部創生推進課 松本雄二郎 課長
           石川県輪島商工会議所 坂下利久 専務理事
           アサヒタクシー株式会社 山田康文 代表取締役
           株式会社モビリティワークス 西利也 代表取締役
     コーディネーター: (公財)交通エコロジー・モビリティ財団 交通環境対策部 熊井大 調査役
16:55 閉会挨拶
17:00 閉会

3.シンポジウム開催報告

  ■開会
 まず、基調講演として、大分大学 大井尚司教授から、ご講演をいただきました。
 大井教授からは、地域の『おでかけ』が直面する現状とその重要性をご紹介いただき、この『おでかけ』を支える移動手段を考えることが、地域を持続させるためのカギになるのではないかとご指摘いただきました。また、その地域を創り・育てるカギとなる『おでかけ』を支えるうえで、“グリーンスローモビリティ”の活用の可能性について、ご助言いただきました。
 続いて、国土交通省総合政策局環境政策課の多田課長補佐から、国土交通省が進めるグリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業や、国土交通省と環境省が連携して進めるグリーンスローモビリティ関連事業の取組内容、実施状況をご紹介いただきました。また、国土交通省では、グリーンスローモビリティの政策コンセプトとして「低速の小さな公共交通」「乗って楽しい公共交通」「コミュニケーション装置」を掲げ、低炭素型の持続可能な交通、持続可能な地域社会の実現に向けた取組を進めていることを紹介いただきました。
 ■活用事例の紹介
 続いて活用事例の紹介として、島根県大田市 松村和典課長補佐、姫島エコツーリズム推進協議会 寺下満会長より、それぞれご発表いただきました。
 松村課長補佐からは、島根県大田市の世界遺産石見銀山遺跡内でのグリーンスローモビリティの導入に向けた社会実験の実施状況や、実験中に実施されたアンケート調査の結果をご紹介いただきました。利用者や住民へのアンケート調査結果からは、車両の満足度は非常に高いこと、住民には将来の移動手段に不安を抱えている人が多く、公共交通としての利用意向も比較的高いことが示されました。また、車両に搭載したドライブレコーダーのデータから、歩行者や自転車との錯綜は他の車両に比べ発生しにくいことなど、安全面の検証結果もご紹介いただきました。
 寺下会長からは、少子高齢化や地球温暖化等の大分県姫島村が抱える課題に対し、高齢者のQOL向上、観光振興による雇用の創出と産業振興、エネルギーの地産地消による地球温暖化の防止を目的として、2015年からグリーンスローモビリティを導入した経緯をご紹介いただきました。また、導入により、高齢者の外出機会が創出されひきこもりや認知症の予防につながること、観光客の島内での2次交通としての活用とともに雇用の創出にもつながっていることなどの効果についてもご紹介いただきました。

  ■パネルディスカッション

 【パネルディスカッション】
   パネリスト:   ・福島県いわき市 総合政策部創生推進課 課長 松本雄二郎 氏
            ・石川県輪島商工会議所 専務理事 坂下利久 氏
            ・アサヒタクシー株式会社 代表取締役 山田康文 氏
            ・株式会社モビリティワークス 代表取締役 西利也 氏
   コーディネーター:(公財)交通エコロジー・モビリティ財団交通環境対策部 調査役 熊井大 氏
 パネルディスカッションでは、グリーンスローモビリティを実際に導入、または導入を検討されている自治体や事業者・団体の方々をパネリストとしてお迎えし、導入のきっかけや事業化の際の課題、今後の展望、さらには、“グリスロを使ってあなたは何を体験できますか?”をテーマに議論が行われました。
 昨年度から実証実験を実施されているいわき市の松本課長からは、広域な市域の中、地域ごとに異なる課題に対し、自動車依存が高く公共交通機関のカバー率が非常に低い地域での移動手段の確保や、東北で最も集客力のある観光地での回遊性向上、震災後の地域の復旧復興の中での導入の状況についてご紹介いただきました。キーワードとして「可能性」を挙げられ、地域ごとの異なる課題への対応だけでなく、台風19号により被災した地域での活用可能性についても期待できるということをご紹介いただき、様々な場面での活用の可能性を探っていきたいとお話しいただきました。
 次に、平成26年から公道走行を開始し、現在、シルバーの方をドライバーとして無料運行を実施されている輪島商工会議所の坂下専務理事からは、強いリーダーシップと想いを持って先進的に導入に向けて取組まれたこと、地域に親しまれるための環境づくりやアプローチ、シニア世代の雇用創出の実現についての取組をご紹介いただきました。キーワードとして「コミュニケーション」を挙げられ、グリスロは人の持つ楽しい発想が豊かであればあるほど、それに応えてくれるものと感じられており、地域活性化のツールとしての可能性をお話しいただきました。
 次に、全国で初めてグリスロでの緑ナンバー(営業用)取得を実現されたアサヒタクシー株式会社の山田代表取締役からは、鞆の浦でグリスロを導入したいと思われてから、緑ナンバー取得、導入に至った経緯や苦労した点をご紹介いただきました。キーワードとして「地域の活性化」「忘れられない体験」を挙げられ、高齢者が外出しやすい環境づくり、観光地としての魅力向上により、地域の活性化につなげる仕組みづくりを目指していることをお話しいただきました。
 最後に、地域を盛り上げるための取組として、高齢者が多い団地内にグリスロを導入し、自家用有償旅客運送での運行に向け取り組んでいる株式会社モビリティワークスの西代表取締役からは、導入にあたり各関係者から理解をいただくため丁寧に説明や提案を進めてきたこと、安全対策として車両の改良を行ったほか、IT技術を生かし交通量が多い幹線道路をグリスロが走行しないようGPSを使った制御システムの構築を行ったことなどをご紹介いただきました。キーワードとして「やさしい未来へ」を挙げられ、当初、利便性を優先的に考えていたものの、実際に走行すると子供たちや地域の方とのふれあいにより、やさしく柔らかい風景を感じることができた新しい発見について、ご紹介いただきました。
 まとめとして、コーディネーターの(公財)交通エコロジー・モビリティ財団の熊井調査役からは、インターネットが普及してきた近年、おでかけの機会が減っているなか、地域の活性化のためには、やはりおでかけが必要であること、おでかけの機会をつくり、楽しみを街でつくることの重要性をお話しいただきました。そのためのツールとして、グリスロには重要な役割を担える可能性があり、グリスロを使った体験や、おでかけ、楽しみを考えていただき、是非導入していただきたいとのご発言をいただきました。
  ■閉会

  ■会場内で実施したアンケートに記載いただいた質問への回答はこちらをご覧ください。
   ●質問への回答

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