社会資本の老朽化、自然災害の増加、ビジネス環境の急激な変化などに対応し、高品質で安全性の高いサービスを持続的に提供するため、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が必要となっています。
当社では、コア技術であるインフラコンサルティングサービスとデジタル技術を組み合わせることで、社会に対して新たな価値を創造しています。
デジタルイノベーションに関する事業内容
インフラDX事業
デジタルツイン、人工知能(AI)、センシングデバイス、XR(Extended Reality)等のデジタル技術を活用して、インフラ分野の社会課題解決を支援しています。

都市デジタルツインの構築やユースケース開発
高精度な3次元データを用いて作成された3D都市モデルに、災害リスク情報、人流情報、地域の観光資源などの情報を組み合わせることで、意味情報を持ったデジタルツインを構築します。
これにより、都市計画、交通・エネルギーインフラ、防災・減災対策などの分野で活用可能なサービス開発を支援しています。

AI技術を活用したシステム開発とデータ解析
現地調査の効率化や高度化を目的として、AI(ディープラーニング等)を活用したシステム開発に取り組んでいます。具体的には、動画解析や画像認識技術を組み合わせたシステムを開発し、自動的に現地の情報を収集・分析することで、手作業に比べて迅速で正確な結果を得ることが可能となります。当社では、交通量調査や生物調査、環境モニタリング等の分野において積極的にAIを活用し、大幅な作業効率の向上を実現しています。

IoT社会実現に向けたセンシング技術開発
自社開発のIoT機器を活用し、幅広い調査活動を行っています。一例として、BLE(Bluetooth Low Energy)電波を利用した人流調査機器を開発しました。これにより、従来人手でしか調査できなかった人流データを自動的に取得し、人々がどこに滞留し、どのような経路で移動しているのかを分析することが可能になりました。この先進的な技術は都市計画やまちづくりの意思決定を支援するために、積極的に活用しています。



VR技術を活用した仮想洪水体験システムの開発
水災害を「ジブンゴト」として捉え、住民が災害発生時に適切な行動を取れるよう支援するため、VR技術を活用した仮想洪水体験システム(Virtual Flood Experience System: VFES)を開発しました。
本システムでは、詳細な3D建築物モデルを整備し、浸水深の変化や建物構造、用途、避難場所などの情報を分かりやすく可視化しています。
ユーザーは地域の大切な資源や洪水時に取るべき行動を、臨場感のある仮想体験を通じて学ぶことができます。このような体験を通じて自治体や地域住民とのコミュニケーションを強化し、効果的な社会資本整備を支援しています。
業務実績:仮想洪水体験システムの社会実装に向けたシステム適用性検討業務(令和6年度、国立研究開発法人土木研究所)※内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマート防災ネットワークの構築」の一環として実施。
DX人材育成・AI活用推進
デジタル技術を効果的に活用し、競争力を向上させるため、全社的なDX人材育成に取り組んでいます。新入社員向けの段階的研修プログラムから、役員層を含む全従業員への生成AI活用支援まで、幅広い教育機会とリスキリング環境を提供し、組織全体のデジタル変革を推進しています。

デジタル人材の育成とキャリア成長支援
デジタル変革を担う人材の継続的な育成を目的として、体系的な教育プログラムとキャリア支援に取り組んでいます。
新入社員を対象としたDX研修プログラムでは、デジタル技術の習得に加え、問題発見から課題解決に至る実践的なスキルや変革に必要なマインドセットの育成を重視した研修を実施しています。
基礎研修、実践研修、課題解決研修の段階的なカリキュラムにより、配属部署での実務課題に取り組みながら実践的なスキルを身につけることができます。
また、AI研修や生成AI研修、DX関連のe-learning、外部セミナーへの参加支援、社内でのDX推進事例共有会の開催など、職種や経験年数に応じた多様な学習機会を提供し、組織全体のデジタル人材育成を推進しています。

生成AI活用による全社的な業務変革の推進
当社では、DX推進基本方針に基づき、生成AIを活用した業務変革に全社で取り組んでいます。
2024年12月には役員・部門長を対象とした生成AI勉強会を開催し、経営層が率先して活用を開始。トップダウンでのデジタル文化醸成を進めています。
現在、DX推進センターが中心となり、生成AI活用ガイドラインの整備、活用事例の共有、従業員向け相談窓口の設置など、業務効率化と生産性向上を総合的に支援しています。
今後も生成AIを通じて従業員一人ひとりの業務変革とスキル向上を後押しし、社内DX推進のさらなる加速を目指します。