スマホ撮影だけで実現する屋内ナビ
市民がつくった屋内地図で『迷わない』を体験
~視覚に障害のある方の移動課題を起点に、誰もが円滑に歩けるまちを広島から~
令和8年8月4日
株式会社Ashirase
復建調査設計株式会社
アジア航測株式会社
西日本旅客鉄道株式会社
株式会社JR西日本イノベーションズ
株式会社Ashirase(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:千野 歩、以下「Ashirase」)、復建調査設計株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:藤井 照久、以下「復建調査設計」)、アジア航測株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:畠山 仁、以下「アジア航測」)は、西日本旅客鉄道株式会社(以下「JR西日本」)と株式会社JR西日本イノベーションズ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:門間 洋介)の共催のもと、視覚に障害のある方をはじめ誰もが屋外と屋内をシームレスに移動できる社会の実現を目指し、「屋内スキャン・クエスト ナビゲーション体験会」を2026年8月23日(日)にJR広島駅北口で開催します。
本体験会は、2026年5月から6月にかけて広島駅周辺で実施した、一般市民も参加する屋内空間の計測イベント「屋内スキャン・クエスト」の成果を、広く体感いただく場です。会場では、ビーコン等の設備を新設せずスマートフォンのみで案内する屋内ナビゲーションの体験や、屋内空間をデータ化する屋内スキャンの体験を通じて、“誰もが円滑に歩けるまち”に向けた取り組みをご紹介します。
1. 背景と課題
広島は、自家用車やバス、路面電車、鉄道、船など、多様な交通が行き交うまちです。その結節点である広島駅周辺では、複数の交通機関と大型施設が入り組み、屋外から屋内へと続く移動経路が一層複雑になりがちです。
初めて訪れる駅や大型施設の屋内空間では、フロア構成や動線が分かりにくく、目的地までたどり着くこと自体が負担になりがちです。とりわけ視覚に障害のある方にとっては、視覚的な案内サインを利用しづらく、屋内での「単独での移動」は依然として大きな壁として残されています。
一方で、こうした「最も移動が難しい方」でも迷わない歩行環境は、視覚に障害のある方だけのものではありません。車いすやベビーカーを利用する方、大きな荷物を持った方、訪日外国人など、屋内移動に不安を感じる多くの人にとっても移動しやすくやさしい環境です。加えて、従来の屋内ナビゲーションはビーコン等の専用設備の設置や工事を要するものが多く、コストや運用面から導入のハードルが高いという課題もありました。そこで私たちは、当事者の課題を起点に据えて、多大な時間とコストをかけずに実現できる環境整備が必要と考え、その試みとして広島駅や枢要な公共施設の屋内計測とナビゲーションの実装を進める「屋内スキャン・クエストin広島」の企画・実施に至りました。
2. 「屋内スキャン・クエスト in 広島」これまでの取り組みと成果
「屋内スキャン・クエスト」は、計測協力を得た施設(公共・民間)のパブリックスペースを対象に、一般市民がスマホ計測機器を使用して「屋内計測・データ化」を行うイベントです。まちを使う人自身が空間データづくりに関わることで、当事者目線を反映したインクルーシブな屋内ナビゲーションの基盤を整えることを目指しています。
これまでの主な成果(2026年5〜6月)
- 計測対象施設:11施設(例:広島県立広島産業会館、JR広島駅、周辺の商業施設・公共施設など)
- 計測範囲・面積:約120,000㎡
- 市民参加者数:延べ10名以上
- 取得した空間データを用いた屋内ナビゲーションのルート生成・検証を実施
- 広島県『DoboXデータチャレンジ2025』で銀賞を受賞
※計測は一部、事務局で実施したエリアも含まれます
スキャンイベント時の様子
3. 「屋内スキャン・クエスト ナビゲーション体験会」開催概要
| 日 時 | 2026年8月23日(日)10:00〜15:00 |
|---|---|
| 場 所 | JR広島駅北口1階 イベントスペース |
| 内 容 | 取り組み概要説明、屋内ナビゲーション体験、屋内スキャン体験 ほか |
| 対 象 | 一般市民、企業、行政機関、報道関係者 など |
| プログラム | 10:00〜12:00 招待セッション(招待者・報道関係者) 12:00〜15:00 フリーセッション(どなたでも参加可) |
| 参 加 費 | 無料 |
| 申 込 | 不要 ※メディアの方は、下部記載のフォームよりお申込みください |
4. 体験できること
(1) 屋内ナビゲーション体験(IndoorFlow)
スマートフォンで周囲の空間を認識して位置を特定するVPS(Visual Positioning System)技術を用い、天井や壁へのビーコン設置工事を行うことなく、スマートフォンのみで屋内の現在地把握とナビゲーションを体験いただけます。視覚障害者向け歩行支援デバイス「あしらせ」の開発で培った「迷わせない」誘導の知見を活かし、単なる地図表示ではなく、音や振動も使うことで視覚に障害のある方にもスムーズに案内します。
(2) 屋内スキャン体験
屋内空間を計測・データ化する屋内スキャンのプロセスを体験いただけます。取得したデータが、どのように屋内ナビゲーションのルートへとつながるのかをご紹介します。
(3) 誰もが使えるインクルーシブな設計
本ナビゲーションは、視覚に障害のある方をはじめ、車いすやベビーカーを利用する方、訪日外国人など、複雑な屋内移動に不安を感じるすべての方の利便性向上に寄与します。当日は、視覚に障害のある方だけでなく、どなたにも体験いただき、幅広い立場からのご意見を伺います。
5. 各社の役割
2025年9月に復建調査設計及びアジア航測が主催したスタートアップとの新規事業創出に向けた共創アクセラレーションプログラム「Urban Innovation Challenge HIROSHIMA 2025」に、Ashiraseが参画し最優秀賞を受賞したことがきっかけで、チームを組むことになりました。
3社が持つ技術、ノウハウ、専門性をいかし、「オープンイノベーションによる社会課題の解決」を目指しています。
株式会社Ashirase
視覚障害者向けナビゲーションデバイス「あしらせ」および屋内ナビゲーション「IndoorFlow」を通じて、屋外から屋内まで一貫した移動体験を提供します。
復建調査設計株式会社
まちづくりや公共インフラ整備で培った知見を活かし、誰もが快適に歩ける歩行者空間の実現に向け、公民連携の推進や調査・計画・設計を通じ、屋内ナビゲーションの社会実装を支援します。
アジア航測株式会社
測量・空間情報分野の技術を活かし、屋内空間の計測・3次元データ化をサポートします。
6. 今後の展開
本体験会で得られた知見をもとに、広島駅周辺での屋内外シームレスな移動支援の実装を段階的に進めるとともに、公共施設・駅・商業施設など、多くの方が訪れる施設への展開を目指します。
7. 関係者コメント
西日本旅客鉄道株式会社
「この度の広島駅での屋内ナビゲーション体験会を通じて、駅を利用のお客様に分かりやすく、使いやすい駅づくりができればと思います。」
DoboXデータチャレンジ事務局(広島県)
「広島県では、デジタル技術を最大限に活用して官民が連携し、「新たなサービス・付加価値の創出」など目指す姿の実現に向け、取組を進めております。データを利活用し、地域課題の解決に有効なアプリなどを募集するコンテストを実施しております。
昨年度のコンテストにおいて、視覚障害者の方などがより一層安全かつ快適な移動が可能となるアプリと膨大な数の公共施設などの地理空間データを県民が協働して取得するこの取組は、さらなる“まち”の価値向上及び誰もが暮らしやすい社会の実現につながると期待しております。」
8. 報道関係者の皆さまへ
当日の取材を希望される報道機関の皆さまは、会場準備の都合上、事前のお申し込みをお願いいたします。下記フォームよりお申し込みください。
- 10時からの招待セッション(招待者・報道関係者)にご参加頂けます。取材申込フォーム:https://x.gd/960xd
主催・共催・協力
| 主催 | 株式会社Ashirase、復建調査設計株式会社、アジア航測株式会社 |
|---|---|
| 共催 | 西日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR西日本イノベーションズ |
| 企画協力 | DoboXデータチャレンジ事務局(広島県) |
| 計測協力 | 広島県立広島産業会館、エキエ・ミナモア、広島電鉄株式会社、エールエール HIROSHIMA、EKICITY HIROSHIMA、広島JPビルディング、ホテルグランヴィア広島、シェラトングランドホテル広島、グランアークテラス、広島市視覚障害者情報センター |
本件に関するお問い合わせ先
株式会社Ashirase 広報担当
E-mail:pr@ashirase.com
屋内ナビゲーション「IndoorFlow」に関するお問い合わせ:https://form.run/@indoorflow-contact
復建調査設計株式会社 問合せ先
経営管理本部 経営企画部 オープンイノベーション推進室
TEL:050-9002-1727 Eメール:oi-contact@fukken.co.jp
【参考】各社・製品情報
株式会社Ashiraseについて
「人の豊かさを“歩く”で創る」をミッションに掲げるHonda発のスタートアップです。本田技研工業株式会社の新事業創出プログラムIGNITION第一号として2021年4月に設立。視覚障害者向け歩行支援デバイス「あしらせ」を2024年末より正式に発売。また、この「あしらせ」技術を起点とした屋内向けサービス「IndoorFlow」により、屋内外の移動を支えるナビゲーション・データを提供しています。会社サイト:https://www.ashirase.com/
「あしらせ」について(屋外)
靴に装着したデバイスの振動で進行方向や曲がるタイミングを伝える、視覚障害者向けのナビゲーションデバイスです。スマートフォンをポケットに入れたまま利用でき、白杖操作や周囲の音による安全確認を妨げません。2024年10月より一般販売を開始しています。
「IndoorFlow」について(屋内)
VPS(Visual Positioning System)技術を活用し、天井や壁へのビーコン設置などの工事を伴わずに、スマートフォンのみで屋内の現在地把握とナビゲーションを実現するサービスです。視覚障害者向け歩行支援デバイス「あしらせ」で培った「迷わせない」誘導の知見を活かし、商業施設・オフィス・駅・病院など、多くの人が訪れるさまざまな屋内空間に導入できます。現在、以下のような多様な現場で導入・実証が進行しています。
主な導入・実証例
- 商業施設・地下街:来街者の回遊性向上、既存ビーコンからの置き換え
- オフィス:従業員のQOL向上・業務効率化・CSR
- 駅・鉄道系サービス:予約者のシームレスな誘導、問い合わせ対応の削減(例:STATION WORK〈駅構内・改札外〉)
- MICE施設:イベント来場者を含めた回遊性向上
- 病院:院内での迷いの防止、案内スタッフの負荷軽減
復建調査設計株式会社について
1946年創立。中国地方を中心に、公共インフラ整備を支える総合建設コンサルタントとして、調査・計画から設計、維持管理まで一貫した技術サービスを提供しています。地域の安全・安心と持続可能な社会の実現を目指し、地域課題を起点に、自治体・企業・大学など多様なパートナーとの共創を通じて、新たな価値の創出に取り組んでいます。
アジア航測株式会社について
1954 年設立。最先端の計測技術や AI 等を活用した解析技術を活かして、国土保全や社会インフラのマネジメント、行政支援サービス等、空間情報コンサルタントとして幅広く事業を展開しています。本取り組みは、2023年10月にスタートした長期ビジョン2033「空間情報技術で社会をつなぎ、地球の未来を創造する」における第1フェーズ「中期経営計画2026」新規事業戦略のひとつとして位置付け、新たなセンシング市場の創出を目指して推進してまいります。
