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ジオスライサー

 ジオスライサー(Geoslicer)とは、地表面下の地層断面を切り出して、手に取るように観察したいという発想にもとづいて考案された地層採取法(地層抜き取り調査法)、およびこれにもちいる装置である(中田・島崎、1997*1)。

 この調査法の特徴は、採取した地層をその場ですぐに観察でき、必要に応じて地層断面として実験室に持ち帰ることが可能であること、作業に際して抜き取る土砂がトレンチ掘削調査で同様の壁面を観察しようとした場合の1/100以下であることがあげられる。これにより、貴重な地質学的情報の損失を最小限に抑えることができ、作業効率を大幅に向上することができる(中田・島崎、1997*1、原口ほか、1998*2)。また、試料は定方位の状態で採取されることから、分析試料としても幅広く利用することができる。現在、活断層調査、地震液状化層の調査、沿岸域の津波痕跡調査、干潟環境や沿岸漂砂などで使用されている。

 地層抜き取り調査法は、考案者の中田 高広島大学名誉教授・(独)日本原子力研究開発機構・復建調査設計の特許(登録番号2934641)として登録されている。
ジオスライサー(Geoslicer)は復建調査設計の登録商標です。

*1 中田 高・島崎邦彦(1997):活断層研究のための地層抜き取り装置(Geo-slicer),地学雑誌,Vol.106,p59-69.
*2 原口 強・島崎邦彦・小島圭二・中田 高(1998):地層抜き取り装置による軟弱地盤における定方位連続地層採取方法,地盤工学会誌,Vol.46,p24-26.

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「ジオスライサー」の実績一覧へ

ジオスライサーの基本構造

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 ジオスライサーは、コの字状のサンプルボックスとふた(シャッタープレート)からなる。これを、土木作業等で使用される杭打機(バイブレーター、バイブロハンマー)をもちいて地中に打ち込み、クレーンによって引き抜くことで、サンプルボックス中に試料を採取する。調査の目的(採取深度や広さ、堆積物の状態)によって、装置にはバリエーションがあり、もっとも適した装置を使用することができる。たとえば、サンプルボックスとして、河川・港湾工事等で使用される鋼矢板を用いることで、深度数m~10数mの試料を採取した実績が報告されている(原口ほか、1998*2)。

ジオスライサー調査のながれ

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作業のながれアニメーションはこちら(Flashムービー)

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    4mジオスライサー(サンプルボックス)とバイブレーター
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    ふた(シャッタープレート)の差し込み
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    サンプルボックス、ふたの打ち込み完了
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    ふたの取り外し、試料観察

ジオスライサーの応用

さまざまな形での地層断面採取が可能

 ジオスライサーは掘削面積を最小限に抑えることで、3次元をイメージした地層断面の採取が可能である。また、トレンチ底面から地層断面を採取すれば、限られた調査用地内で、地下の情報を最大限得ることもできる。

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活用のヒント!
(例えばトレンチ底面でジオスライサーを使えば)
←画像をクリック

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 ジオスライサーは、活断層調査における利用を目的として考案されたため、トレンチ調査法との比較において、特に費用対効果の面で比較評価されることが多い。しかし、江戸川河床での連続地層断面採取(原口ほか,1998)、糸魚川静岡構造線・神城断層での逆断層掘削(今泉ほか,1997)など、その有効性は、従来の調査法では実現困難であった水中での定方位掘削や大深度地層断面の観察を可能にした点にある。掘削面積の節減は、都市域のように用地確保が困難な地域での調査においても非常に有効である。
今後、各種調査をおこなう際の手法のひとつとして、ジオスライサーが選択肢の一つとして積極的に使用されることを期待したい。

ジオスライサーの種類

ワイドジオスライサー

■ ワイドジオスライサー 詳細情報▼

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 幅1mの地層断面を採取することで、地下断面をトレンチ壁面さながらに観察できます。活断層調査など地層の面的な観察が必要な調査に使われます。採取する向きを変えることにより三次元的な壁面観察も可能です。
規格サイズ:幅1.2m、長さ4m(写真)
      幅1m、長さ2m

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 幅1mの地層断面を採取することで、地下断面をトレンチ壁面さながらに観察できます。活断層調査など地層の面的な観察が必要な調査に使われます。採取する向きを変えることにより三次元的な壁面観察も可能です。(ジオスライサーの応用
限られた用地において地質情報を最大限に活用する画期的調査法です。
崩れやすく危険な沖積層の調査を安全に行うことを可能とし、トレンチを拡幅せずにトレンチ下位の地層断面観察を行うこともできます。
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    トレンチ底からの試料採取
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    採取した地層断面のはぎ取り標本作製

規格サイズ:2mタイプ 幅1m、長さ2m

      4mタイプ 幅1.2m、長さ4m

ロングジオスライサー

■ ロングジオスライサー 詳細情報▼

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 地層断面を定方位のコラム状に採取します。堆積構造の連続的な観察が可能でワイドジオスライサーに比べより深い地層の採取に利用できます。群列状に採取すれば地下の地層のつながりを面的に知ることも可能です。
規格サイズ:幅0.4m、長さ6m(写真)
      幅0.4m、長さ4m
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 地層断面を定方位のコラム状に採取します。堆積構造の連続的な観察が可能でワイドジオスライサーに比べより深い地層の採取に利用できます。
試料は幅40cmと広く、通常の大口径ボーリングでも得にくい地層の傾き、不整合関係等を明確に観察することができます。
群列状に採取すれば地下の地層のつながりを面的に知ることも可能です。

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 ロングジオスライサーの規格サイズは4m、6mの2種類を用意していますが、綱矢板を利用することでさらに大深度のサンプリングにも対応しています。 採取深度についてはご相談ください。
同様に河床や湖底などの浅水底での調査実績もあります。目的に応じた調査形態を提案させていただきます。

クレーン台船をもちいて行なう水底サンプリング

規格サイズ:4mタイプ 幅0.4m、長さ4m

      6mタイプ 幅0.4m、長さ6m

ハンディジオスライサー

■ ハンディジオスライサー 詳細情報▼

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 重機を必要とせず、一人もしくは数人で自由に地層を採取することができるパーソナルユースのジオスライサーです。表層地質・土壌調査や予察調査に有効です。大型の機材を必要としないことから斜面や海浜、干潟など様々な場所での利用が可能です。
規格サイズ:幅5~10cm、長さ0.5~3m
      幅15cm、長さ1m(写真)
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研究機関を対象としたハンディジオスライサーの販売を行っています。

購入・使用条件
・ハンディジオスライサーは学術研究機関のみを対象として提供しています。
・ハンディジオスライサーを購入者が営利活動に利用することは、特許の侵害となります。購入者が第三者に譲渡または貸与する場合も同様です。
・ハンディジオスライサーを複製・模倣し販売する行為は特許の侵害となります。
・ジオスライサー、ハンディジオスライサーを使用した調査成果を学術論文等に公表する際には、指定された文献を引用し、公表先をご連絡ください。
・その他、取扱説明書に記載された事項を遵守して使用してください。

購入希望、お問い合せの際はこちらにご連絡ください

東京支社第一技術部(担当:高田)
〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-8-15 FGEX岩本町ビル
TEL 03-5835-2631 / FAX 03-5835-2632

九州支社地盤技術課(担当:市原)
〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東3-12-24 博多駅東QRビル6F
TEL 092-471-8324 / FAX 092-415-3751

本社
〒732-0052 広島県広島市東区光町2-10-11

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(パンフレットの内容・仕様は予告なく変更することがありますのでご了承ください)

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