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社会基盤整備「沿岸技術」
 沿岸関連の業務は、昭和30年代はじめに瀬戸内の軟弱地盤対策の解析業務からスタートし、今では、沿岸域における港湾・漁港・海岸等の広範な各種施設の計画・設計・申請そして管理業務を行い、分野別業務実績は、全国でトップクラスにまで成長しました。
 大交流時代を迎え、港湾・空港は、国と国、地域と地域とを結び、人・モノ・文化・情報などの出会いと交流の場としてその役割はさらに大きなものとなっています。
 また、環境に対する国民の意識も高まり、特にウォーターフロントつまり沿岸域における生態系の再生と親水性への配慮並びに美しい景観の保全が強く求められています。
 私たちは、豊で美しい自然との調和を保ちながら持続性のある社会の形成に向けて、更なる技術の向上と優れた技術者の育成に取り組んでいます。
主な沿岸関連業務内容


・港湾・空港・漁港・海岸の計画、設計
・維持補修調査及び管理計画
・防災対策検討
・費用対効果分析
・各種申請書の作成

仙崎漁港(山口県長門市仙崎)沖合い人工島型式による約7haの埋立事業 長崎港「長崎水辺の森公園」(長崎県長崎市常盤町)2004年度「グッドデザイン賞」受賞
仙崎漁港(山口県長門市仙崎)
沖合い人工島型式による約7haの埋立事業
長崎港「長崎水辺の森公園」(長崎県長崎市常盤町)
2004年度「グッドデザイン賞」受賞
開発取組事例①海水交換促進型防波堤
私たちは、平成15年度より、「沿岸防災と海域環境の保全と再生を目的とした施設の開発」について産・官・学の共同研究という形で技術開発に積極的に取り組んで来ました。その研究成果の一つが左図に示す「海水交換促進型防波堤」です。
  開発された防波堤は、異吃水2重壁式防波堤を原型として開発されたもので、遊水室内のピストンモードの波動運動を原動力として前面壁下部付近に強い渦流れを発生させ、波動運動から渦流れへとエネルギー変換を行うと同時に、遊水室内に設けた没水平版による渦流れの制御により、堤体下部の通水部を介して港内水を港外へ排水する平均流を生成する機能を有しています。
  多くの港は、これまで安全性の確保や利便性の向上を目的に外郭施設を整備してきましたが、それに伴い外海との海水交換が少なく海水の流動性が小さくなっているのが現状です。そこで外郭施設の一部に、この世界でも初めてといえる港内の水を港外へ吸出す機能を有した構造を用いることにより、効果的・効率的に港内水の水質改善を図ることが可能となります。
  また、開発された防波堤の付加機能として、海面浮遊ごみ等の港内侵入量の削減や漂砂による港内埋没量の低減並びに遊水室内に形成される渦を利用した波力発電等が考えられ、現在継続して技術開発に取り組んでいます。
海水交換促進型防波堤イメージ図 海水交換促進型防波堤室内水槽実験状況
海水交換促進型防波堤イメージ図 室内水槽実験状況
開発取組事例②性能設計と信頼性設計法
経済活動のグローバル化を背景に、WTO(世界貿易機構)におけるTBT協定(貿易の技術的障壁に関する協定)において、土木構造物の技術基準に関しても国際規格への適合が義務づけられるとともに、ISO2394(構造物の信頼性に関する一般原則)等の国際規格では、構造物に求められる性能のみを規定し、性能を満足させるための設計法は自由とする、いわゆる性能規定化の動きが進んでいます。
 我が国では、平成13年3月に閣議決定された『規制改革推進3か年計画』に、全ての分野の基準類に対する国際整合化および性能規定化の推進が明記され、これを受けて策定された『土木・建築にかかる設計の基本』(国土交通省、平成14年10月)、『包括設計コード』(土木学会、平成15年3月)等に沿った形で、今後の数年間で土木構造物の設計方法は大きく変わるものと予想されます。
 このような流れのなか、平成19年度に改訂される予定の『港湾の施設の技術上の基準』は全面的に性能規定化されるとともに、その附属書には標準的な性能照査方法として信頼性設計法が導入されます。信頼性設計法とは『構造物はいかに壊れるかに基づいた確論的手法による設計法』であり、構造物の破壊確率を定量的に評価することにより安全性のばらつきの小さな設計が可能な合理的な手法です。
 私たちは、平成8年からの約10年間に渡り、港湾技術研究所(現国土技術政策総合研究所)および(財)沿岸技術研究センターからの委託業務を通じて、今回の基準改定に関する、港湾施設への信頼性設計法の適用性検討に携わっており、基準改訂後の設計業務をスムーズに行うことが可能です。
次期港湾基準における性能規定の階層
安全性のばらつきが小さい信頼性設計法

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